B・L・U・E

ブルーだ。
夕飯を食べ終わった後、Syrupのインタビューでも読むかとJAPANをめくった時、母がご機嫌取りのような声で話しかけてきた。
こんな声の時は出会いの話を持ってきたときだ。
母のお母さん(つまり私のばあちゃん)の兄弟の人が、私より5つ年上の人を紹介したいと言ってきたそうだ。
兄弟の人の知り合いの息子らしく、まだどんな人か分からないとのこと。
本当はその兄弟の人の娘さんも嫁にいってないので、その娘さんに紹介したそうなのだが、彼女は結婚する気ないと言っているのだそう。
そして私に話がまわってきた。
親とか一緒でとかじゃなくって、二人だけで一回会ってみたら?と持ちかけてきた。
私が母に結婚する気がないと言ったら、悲しい顔をするだろう。ヒステリックに怒るだろう。結婚する気がないといったら嘘になるけれど、二人だけで会うとか、面倒くさいし、怖い。
怖い、というのは、合コンでもそうだけど、男の子のがっかりした表情や、それに対する行動を見たときがあって、とても悲しかったことがあった。それを見たくない。
合コンなら大勢に紛れて、気にしないふりをすればいいのだけど、二人で会う、もしがっかりされたら?と思うと立ち直れるのだろうか。
そんなことを言ってたら、一生結婚できないのだろう。
私は終始、黙ったまま話を聞く。
本はパラパラとめくっているけど、全く情報が入ってこない。もちろんSyrupのページなんて通り過ぎた。
明日は廃品回収の日だから、いらない雑誌をひもで縛りに二階へ行く。
しばらくすると下から母の声が聞こえてきて、それを弟が聞いているようだ。
多分、早く結婚しなきゃとか言ってるんだろう。
耳を澄ますと、「早いもの勝ちなのよ、街を歩けば不細工な顔の人でさえカップルで歩いてる」と聞こえてきてもう聞きたくない。
いつの間にか指に切り傷。紙でスッと切ってしまったっぽい。
会社から帰ったら前髪を切って、YUKIちゃんのDVD見て、東京のイベント情報をネットで調べるつもりだったのにな。
部屋にこもってたら時間がなくなってしまったや。
暗くてごめんなさい。でも心におさめておきたくなかった。
どうしたらいいんだろう。こんなことで悩んで子供だと思いつつも、会いたくない。