黒髭危機一髪

仕事始めというのもあったけど、あの人の会社仲間が昨年の忘年会で知ってしまったため、とても行きたくなかった。
(私が隠してもいつかばれるから、もう言ってもいいよって言ったんだけど)
 
案の定、仲間の一人・Kさんが「YUKさーん、あけましておめでとう〜」と大きな声で挨拶してきたのでドッキドキしながら挨拶。
「いやぁーYUKさんの顔を見るとにやけてきちゃうよ、正月からめでたくて」と満面の笑みにつけて、これまた大きな声で言うので、私の前の席のOさんが真顔で「なんで?」と聞いてきて、(もーーーーーやめてーーーーー!)と思いつつも「あはははは、ねー正月ですしねー、わはははは」とカラ元気で振舞うも、(早くどっか行って)と思う心模様。
Kさん「うふふふ」
私「えへへへ」
笑顔で闘った。
超あぶねー、この人。みんなにばれるのも時間の問題だ。
みんなにばれたとしても、平然としていこう。それでギクシャクする恋なんて間違っている!
 
月始めの仕事は朝から机に山盛りで一気にやる気を失ったけれど、3時頃には結構いいところまで片付いて、定時にあがることができた。
私も派遣社員。こんな時代だから、仕事があるだけありがたいと思わなくちゃ。
 
19時過ぎ。あの人が電話をくれたのにその時ちょうど携帯をいじっていて、ボタンを押し間違えて即切ってしまった。
すぐに電話して謝る。
あの人も今日の様子が気になっていたようだ。
「Kさんが真っ先に言ってきたよ」と言ったら、「やっぱり?」と笑ってた。
きっとあの人も、満面の笑みを浮かべたKさんの顔が思い浮かんだはずだ。