出産のこと

もうすぐあの日から二ヶ月。
たくさんの★と、メッセージをありがとうございました。
赤ちゃんはすくすく育って毎日変化していきます。
首がもう少しで座りそうな感じがするし(あと一ヶ月かな?)
ほっぺや太ももがむっちむち、
あーうー、とお話しはじめたり
おしっこかけられたり、うんちも飛んできたり…
そんな毎日で、あの日のことを忘れてしまわないよう、
出産した日のことを残しておきたいと思います。
***
出産当日…
朝の内診で、先生からグリグリ攻撃をされ、子宮口が5cmまで開く。
これがすごく痛かった。
入院中、勉強のために看護学生をお願いしますと頼まれ、
空き時間に色々話したり、診察室に一緒に入ったり、
血圧をはかってもらったりした子達がいた。
内診を終え、廊下をゆっくり歩く私の隣で、
看護学生も「痛そうでした…」と同情してくれる。
そしてすぐにLDR室(お産の部屋)に入り、
前日とは違う促進剤を使い、一気に痛みが襲ってくる。
(前日の促進剤は陣痛がきてない時に使うやつで、
当日使ったものは陣痛がきてる時に使うやつだそう)
看護学生も部屋に一緒に入り、
陣痛がくるたびに背中をさすったり、お腹を撫でてくれたり
声をかけてくれたり、苦しい時間、一緒にいてくれた。
助産師さんが、家の人に背中をさすってもらうだけでも安心するよと言う。
来てほしい、けど、陣痛の波がじゃんじゃんやってくる。
電話をかけることができるのだろうか?
そうは言えど、時間が進むに連れてどんどん陣痛の間隔が狭まってくる。
陣痛が終わって、次の陣痛がくる間に母の会社に電話をかける。
事務の人が出て、母に取り次いでもらう。
「まだ産まれないと思うけど背中をさすってほしい」と早口で言って電話を切った。
電話中、陣痛がこなくてよかった。
メールも出来なくなると思い、どんちゃんにもメール。
「うまれそう きて」と打つのが精一杯。
看護学校の先生も付き添ってくれて、一緒に呼吸をしてくれる。
陣痛のビッグウェーブがやってくると地獄、
歯止めがきかないくらいの辛さ。
「んっ、んっ、んーー!んっ、んっ、んーー!」の呼吸法で必死。
そして波が引いたらたくさん息を吸って、赤ちゃんに酸素を送る。
いつが終わりなのか分からないまま、その繰り返し。
叫んでる時に母が来て、「どうしたの!」と駆けつけてきた。
母が背中をさする。本当だ、安心する。
身体中、じっとり汗をかいて気持ち悪い。
つかんでる手すりがベタベタだ。
子宮口を観てもらうと7cm。いい感じですよ、と助産師さん。
横向きから仰向けの体勢になるよう指示される。
周りが慌ただしくなってきて、私の足に何か巻かれると、
足があったかくなった。
お尻の下にシートを敷かれ、もうすぐなんだと、少し希望がみえてきた。
いきんでいい、という指示が出たけど、実は指示の前からいきんでしまってた。
だってもう出そう。我慢できない。
陣痛が来るたびに「んーーー!」とお尻に最大級の力を入れる。
息を吸うのは一瞬で、すぐにまた「んーーー!」と踏ん張る。
陣痛がなくなったら精一杯呼吸をする。
途中、看護学校の先生が、
他の学生も見学させてもらってもいいかと聞いてきたけど、
私はそれどころじゃなかったので、
「なんでもいいです!」と叫びながら返事したら
部屋にいた人みんなが笑った。
もうどうにでもなれという気持ちで
たくさんいきんだのに、出てこない。
頭が見えてるけど、赤ちゃんの心拍が下がってきたらしく
吸引することになった。
足の向こう側で吸引の準備がされる。
ライトが照らされ、眩しい。
痛い、辛い、苦しいと、もうメチャメチャな気持ち。
「んんんーーー!」
頭が出て、ずるんっという感覚があり、すぐに
「オギャーー!」と泣き声が聞こえてきた。
1時55分、という声が聞こえてきた。
私、放心状態。
そして私の胸に紙が敷かれ、血まみれの赤ちゃんが乗せられた。
赤ちゃんは元気良く泣いている。
ボーゼンとしてる私に、母が「お宝だよ」と言った。
私「可愛いね」母「可愛いね」
涙があふれた。母も泣いていた。
その後胎盤が出てきた。
赤ちゃんが大きいと、胎盤も大きいそうで
普通500g台なのに、725gあった。
胎盤の表裏を見せてもらい、
学生にも見せていいかと聞かれたけど、
お尻を見られたんだもん。
これ以上恥ずかしいものなどない。
もうなんでもござれ。
赤ちゃんはすぐに隣の部屋に連れていかれ、
身長や体重を計測された後
しばらくしたら、私の横1m離れた、保温する機械に入れられた。
私はその間、バッチリ裂けた所を縫われていた。
陣痛に比べたら痛くないが、やっぱり痛い。
相当裂けたらしい。
用意した糸が足りず、先生が二回「糸を持ってきて」と言ってたのが聞こえた。
痛いのに耐えるのが精一杯。
カンガルーケアもできず、赤ちゃんを見る余裕など無かった。
どんちゃんはもう産まれてしまったことを入口で聞いて部屋に入ってきた。
どんちゃんは立会い出産を希望してなかったけど、
間に合って、私の辛い状況を見てほしかった。
助産師さんと看護学生から体を拭いてもらって、
母がお昼に出たリンゴを食べろと言うので
一口で頬張ったら顎が痛くなり、
お尻がずっと痛くて痛くて痛くて
「憧れの個室」に行けたのは2時間後。
赤ちゃんも遅れてやってきた。
母とどんちゃんは撮影会、
私はひたすらお尻の痛みに耐えながら
嘘みたいな本当にあった先程の出来事を思い出して、一日が終わった。
☆入院中の赤ちゃん☆