Syrup16g

私はコーヒーが飲めない。
飲むと胸焼けがする。だから小洒落た喫茶店に入る時は、ほとんど紅茶。ガムシロップが出てきたとき、なんとなく「16g」という文字を探す。もう6年くらい、ずっと、そう。
でもどうでもいい文章だ。
本当にどうでもいい。
 
昼間はびくともしなかった携帯が、夜になって大人気。
Mちゃんから遊びのお誘いと、YちゃんからCDJの新幹線の帰りの時間どうなったのというメール。返信しているともう一本メール。返信、返信、受信、
あー、アッコちん、Syrupのライブ行ってたんだ。また意味深なこと言ったのかな。

流し読みした文章が頭の中で受け止めきれず、もう一度読み返した。
「活動休止」という文字。
その後、「冗談だよ」って立て続けにメールが来るわけでもなく、心が落ち着かないまま返信した。ありきたりなことしか書けない。本当?嘘でしょう?またまた。じょーだん。
確かな情報が知りたくて、公式HPを見たけど何も書いていない。JAPANなら何か更新してるかもしれない、とRO69へ。
あ、兵庫さんが早々と更新してた。

12月9日(日) Syrup16g、活動終了を発表
19:33分頃、二度目のアンコールのMCで、五十嵐隆は、3月1日に日本武道館でワンマン・ライヴを行うことと、その日をもって「バンドをいったん終了させてもらおうと思います」ということを、ファンに報告した。

ていうか兵庫さん、活動終了なの?休止じゃなくて?なんか次のアルバムがラスト、みたいなことも書いてるし、慌てすぎじゃない?
なんかなにがなんだか訳が分からない。
でも二度目に見た公式HPは、はっきり決定打を打ってきた。

Syrup16gは解散します。
2008年3月1日(土) 日本武道館
LIVE FOREVER
The last waltz of Syrup16g

本当に来てしまった。噂ではない、解散という現実。
 
横たわるピンクの猫の絵が印象的な「COPY」でこのバンドを知った。
それはJAPANのニューカマーの紹介で、4つくらいのバンドが紹介されていた。確か、初恋の嵐NANANINEとヘルマンH、そしてSyrupが、いた。
3回。Syrupのライブを見たけれど、どれも特別だった。照明はいつも暗かったけれど、とても、らしかった。私はいつも歯を食いしばりながらギターを弾く五十嵐さんを、緊張しながら見ていた。
Syrup16gは五十嵐さんの生き方、そのものが出たバンドだったと思う。絶望も希望も無くて、でも生きることに精一杯。
デビューしてアルバムを立て続けに出し、メンバー脱退、1曲100円でもいいから聞いてくれと「HELL‐SEE」を出し、ショップ限定のシングルを出し、そう、Syrupは何かしら出すたびに実験的だったと思う。インディーズに戻り、「delayedead」はジャケットの飛行機を色んなところで飛ばして最終的に燃やし、さすがに“心臓”がジャケットのベストを出した時にはもう終わりなんじゃないかと思ったけど、それでも血管は切れることなく、ぽつぽつとライブをし、念願のアルバム発表、これから新しいSyrupが見れるのかと思ったところ、今日の解散発表。
今にも消えそうな火の灯の中、解散かもと噂がずっと耐えなくて、でもたまにライブをやってはファンを安心させてきた。
今日のライブは、12月に東京に2回も行くので金欠だから次回新潟に来た時にでも行こう、と今にして思えばクソ生ぬるいことを思っていた。次回、本当のラストライブは武道館。月初めで、どうしても会社を休めそうにない。
活動休止とはいえ、まだ可能性があるではないか。そう思っていた。でも、公式の発表が「解散」と出ていては夢もなにもない。
この先何もない。
本当になくなってしまう。
新しい歌もSyrupも二度とない。
もう一度2002年頃に戻ればいいのに。
頭の中が整理できずにいる。
“夢、夢、叶えてしまった”と、ずっと頭の中で鳴っている。
この歌が出て、もうすぐ4年になる。